1 施設整備長期計画の改訂


  45年5号に策定された「新経済社会発展計画」は,「人間性豊かな経済社会を目ざす」といら基本目標の重要な柱として,「経済社会の国際化への対応」とならんで,「充実した経済力にふさわしい国民生活実現のための社会的基盤の整備」をあげており,この発展基盤の培養のために社会資本整備の重点と効率化が必要であるとし,総額55兆円の公共投資を計画している。さらに,社会資本整備を積極的に拡充するためには,資金の調達が大きな要件になるとして,受益者負担,民間事業主体参加の方向を示唆している。
  これを受けて,運輸関係の公共投資による施設整備についても,道路,港湾,空港についての長期計画が改訂された。

(1) 道路

  42年度を初年度とする第5次道路整備計画は,44年度で51%の進捗を示し,道路整備の促進に寄与してきた。しかし,自動車台数の激増による道路資産と自動車交通とのアンバランスは交通混雑の激化と交通事故の増大を招いており,他方,国土の有効利用,流通の合理化および国民生活環境の改善に寄与するための計画的,先行的な道路整備の必要性も高まつてきた。
  このため,第5次計画は44年度末で打ち切られ,45年度を初年度とする第6次道路整備5カ年計画が46年3月閣議決定された。第6次計画の事業規模は 〔1−3−7表〕のとおりで,その重点事項は,

 @ 高速自動車国道の整備(44年度末642km→49年度末1,900km)
 A 一般国道の一次改築,再改築の実施
 B 主要地方道の改良,舗装等
 C 都市高速道路の整備(44年度末146km→49年度末310km)
 D 都市計画街路の整備,主要交差点の改良および鉄道の高架化等
 などがあげられる。
  なお,この計画に必要な資金の調達源として,特定財源の拡充,民間資金の導入等の新たな措置が必要とされ,特定財源の拡充については46年5月「自動車重量税法」の成立によりその道が開かれ,民間資金の導入については45年5月「地方道路公社法」の成立により,民間資金75%の導入による地方道路公社が相ついで設立され,地方有料道路の建設を計画している。

(2) 港湾

  43年度を初年度とする第3次港湾整備5カ年計画は,45年度末をもつて48%の進捗を示した。しかしこの間,港湾取扱貨物量は44年度において16億500万トンとすでに最終年度(47年度)の目標値15億3,000万トンをこえ,他方,船型の大型化,海上コンテナ輸送および中長距離フエリー輸送の本格化等の新たな情勢に対処する必要が生じてきた。このため,第3次計画は45年度で打ち切られ,46年度を初年度とする第4次港湾整備5カ年計画が46年2月閣議了解された。
  新計画の事業規模は 〔1−3−8表〕のとおりで,その重点事項は,

 @ 外国貿易港湾,国内貨物輸送における拠点的港湾,カーフエリーのための港湾施設など,物的流通港湾の整備
 A 産業港湾,生活環境基盤のための港湾など,地域開発のための港湾の整備
 B 安全確保のための施策の推進
 C 公害防止のための施策の推進
 などである。
  なお,整備財源への民間資金の導入として,45年度に外貿コンテナふ頭整備資金貸付制度が設けられ,名古屋コンテナ埠頭株式会社の設立をみ,46年度からフエリーふ頭整備資金貸付制度がこれに加わり,整備の促進が図られている。

(3) 空港

  42年度を初年度とする空港整備5カ年計画は,その第4年目を迎え約55%の進捗率を示した。しかし,航空輸送量の急激な伸びから東京,大阪両空港施設の過密状態が進み,また地方空港施設の航空機の大型化への対処,ならびに航空輸送の安全の確保が要請されるに至つた。これに対し,空港の整備をさらに強力に推進するため,第1次計画は45年度で打ち切られ,46年度を初年度とする新空港整備5カ年計画が46年2月閣議了解された。
  新計画の事業規模は 〔1−3−9表〕のとおりで,その重点事項は,

 @ 東京,大阪地区での空港混雑対策として,新東京,関西両軍際空港の建設および既存の空港の整備の促進
 A 地方空港における大型ジエツト機就航あるいはジエツト化のための空港整備
 B 航空輸送の安全確保のための空港および航空路の保安・管制施設の整備
 C 騒音対策の推進
 などである。
  所要事業費は,新国際空港関係事業費が新たに加わったこともあつて,5,600億円と第1次計画の約5倍に達している。このため,計画の財源中利用者負担にかかるものとして,従来の着陸料等に加えて,46年8月より航行援助施設利用料が新設され,利用者負担割合の増加が図られることになった。


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