(3) その他のシステム


  運輸事業における情報処理の近代化は,以上述べたもののほか,旅行業におけるホテル・旅館の予約システム,民営鉄道業における座席予約システムや運転の自動化・集中制御化・駅務の合理化システム,海運業におけるコンテナの管理システムなど,着実に開発,増強されている。
  航空関係では,東京国際空港の飛行場管制のため,レーダー情報の処理,航空状況の表示および航空路管制部門との飛行情報の接受等を電算機により行なう東京国際空港ターミナル管制自動化システムを設けるべく,46年度からその設置に着手している。さらに,東京国際航空通信局が世界各国との間に行なつているテレタイプによる国際航空情報の送受信を自動化するため,情報のチエツク,中継回線の選択,中継順位の決定等の中継業務を電算機を利用して行なう国際テレタイプ自動化システムの導入を計画中である。
  また,急増する自動車保有台数の伸びに対応し,自動車検査登録業務の効率化をめざして開設をすすめていた全国65の陸運事務所・支所と東京の自動車登録センターとをデータ伝送回線でむすぶ自動車検査登録データ通信システムが46年4月完成し,全鼠規模での検査登録業務の即時処理が可能になつた。
  輸送活動,観光,さらには大気汚染の低減化にと,気象情報に対する要望はますます高まりつつある。気象庁では観測体制,予報体制の整備を鋭意すすめており,46年1月には新たにレーダー伝送網が運用を開始した。これは,従来数字通報により送つていた東京(富士山)レーダー,名古屋レーダーの気象レーダー映像をテレフアツクスにより,直接レーダー官署から,各気象官署へ迭画し,予報業務に役立てるものである。これにより,従来の方式よりも伝送時間が短縮されるとともに情報量が充実し,映像に関する情報,技術の交換も可能となつた。当面は関東甲信越および東海地方の18官署を対象としているが,46年度以降全国に対象をひろげていく計画である。


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