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1 国鉄のローカル線対策
国鉄ローカル線は,上記の理由によりその公共輸送機関としての地位は,一般的に低下しており,自家用自動車を含む自動車輸送との競合関係にさらされている。このような国鉄ローカル線はその輸送密度,道路の整備状況,自然条件,地域開発計画との関連,ナシヨナルミニマムの確保等の見地からみて存続すべきものも少なくないが,輸送量が激減し,他方バス等による代替輸送の確保が前能であり,道路輸送への転換を図る方が国民経済的にみて有利である線区も多くなつており,これらは国鉄財政上大きな負担となつている。国民経済的にきわめて不経済な輸送を行なつているこれらローカル線の処理については,国鉄財政再建に関する政府の基本方針(44年9月閣議決定)に示されたとおり,その転換を推進することが必要であり,国鉄では,国鉄諮問委員会の意見書(43年9月)に示された83線区2,600キロを中心に地元との話し合いを行なうこととしているが,国有鉄道としての沿革もあり,関係者の理解を得るまでにはなお多くの問題が残され,現在までにわずかに幸袋,根北,唐津の3線が廃止されたにすぎない。このため,46年度予算においては,ローカル線の営業廃止を含む国鉄合理化施策を促進するため,特別交付金(16億円)の制度が設けられることとなつた。
今後国鉄ローカル線対策を円滑に進めていくには,自動車と鉄道の合理的な選択による最も効率的な地域交通体系の確立とシビルミニマムとしての鉄道輸送の確保について地域住民の意思の反映の下に推進し得るようなシステムを早急に確立する必要があろう。
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