1 物的流通の革新とトラツク事業


  トラツク業界における労働力不足はますます深刻化し,人件費の高騰による事業経営の圧迫,運転手の欠員状態の慢性化といつた事態に立ち至つている。また,交通混雑の激化および大都市内における交通規制の強化により都市内輸送におけるトラツクの輸送効率は著しく低下してきている。
  わが国経済の発展に呼応して,今後も貨物輸送需要は増大するとともに,荷主,産業界の側においては,流通部門に対し,物的流通の諸活動(流通加工,保管,輸送等)の合理的効率的結合による物流トータルコスト低減の要請がますます強まることが予想される。このような情勢のなかで,トラツク輸送はいかにして貨物の量的拡大に対応していくか,いかにして物流合理化の動きに対処して機能の強化を図つていくかが大きな課題である。

(イ) 生産性の向上

  トラツクにおける省力化の手段としては車両の大型化,セミトレーラー,フルトレーラー,ダブルストレーラー等の導入,高速道路の利用による車両回転率の向上等がある。セミトレーラーの使用は,海上コンテナ輸送を中心にかなり普及しておりまた,ダブルストレーラーについては,46年度中に,東京・大阪間等において試作運行が開始される予定である。
  また,物資別の専用輸送による輸送の効率化を図るための特殊専用車両(冷凍車,保冷車,タンクローリー,コンクリートミキサー等)の使用も今後ますます進展しよう。
  そのほか,荷役の機械化,荷造り・包装の規格化・標準化等により作業の迅速化と輸送の効率化を図る必要があり,この観点からとくにコンテナ,パレツト等によるユニツトロードシステムを推進しなければならない。
  元来トラツク輸送は輸送単位が小さく,たんなる輸送実行行為の合理化には限界があり,コンテナ,パレツト化によるユニツトロードシステムと次に述べる協同一貫輸送を今後の輸送合理化の重点に考えなければならない。

(ロ) 協同一貫輸送の推進

  今後の増大する輸送需要の中では,トラツク輸送はなによりも他に輸送手段の存しない域内輸送,端末輸送にその重点を移さざるを得ず,幹線輸送においてはできるだけ鉄道,海運等の比較的省力可能な輸送機関の利用を進めなければならない。近年カーフエリーやフレートライナー等の高速大量輸送体系の整備が進められてきたが,トラツク輸送においてこれらを利用する協同一貫輸送は,その戸口輸送の利点を失うことなく運行経費を節減するとともに,人手不足および交通混雑の解消への対応する輸送システムとして大きなメリツトがある。
  45年度における路線トラツク事業者の国鉄のフレートライナーの利用実績は 〔I−(II)−34表〕のとおりで,協同一貫輸送を行なう場合において,トラツク事業者は荷主と最も近い位置に営業機能を有するという利点があるので,この点を生かして荷主の多様な輸送需要に対応するうえで,最も効率的な輸送機関の選択をし,これを利用する協同一貫輸送方式は今後急速に普及し,拡大することが期待される。


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