4 通運体制の近代化


  各輸送機関の国内貨物輸送に占めるシエアは,30年代後半以降において著しい変化を示した。
  従来,近距離はトラツク,中長距離は鉄道,長距離は内航海運といわれてきたが,近年においてトラツクは,近距離において圧倒的シエアを占めているのみならず,全距離帯においてもシエアを拡張し,とくに201〜300キロ等中距離への進出が著しい。
  これに対し,鉄道は全距離帯にわたつてシエアが縮少されている。その原因は,第1に,増大する輸送需要に対して鉄道輸送力が絶対的に不足であつたこと。第2に,質的に高速化,多様化する輸送需要を満足せしめるサービスを提供しえなかつたことにある。
  このような鉄道貨物輸送の停滞を打開するため,国鉄では貨物輸送方式の近代化,営業体制の強化等貨物輸送の近代化施策を推進しているが,これら近代化施策の推進は,大都市路面交通の混雑,交通規制,都市建築物の高層化等と相まつて,鉄道と通運との関係,通運のあり方等通運体制の根本にかかわる問題が提起されるところとなつた。これについては,経済実態に見合つた弾力的な運賃制度および通運約款を制定するとともに
 @ 輸送方式の近代化
 A 通運作業の近代化
 B 大都市における通運集配対策
 等を実施していくこととしている。

(1) 輸送方式の近代化

  国鉄では,フレートライナー,物資別専用輸送等貨物輸送方式の近代化を推進している。これに対応し,通運においてもコンテナ輸送の増進,一貫パレチゼーシヨン,物資別専用輸送等輸送方式の近代化を図つている。さらに今後,通運事業が発展していくには,集貨力の拡充を図ることはもちろん,これまでの通運専業的企業が,制限的に鉄道貨物のみを取扱う立場から脱皮して,総合運送取扱人としての分野を開拓していく面にあると思われる。
  現在,進められているフレートライナーは,コンテナを使用して国鉄が戸口から戸口まで一貫輸送を行なうものであり,在来輸送とちがい,
 @ コンテナによる大量定型貨物輸送が主であること。
 A 発着時間が明確であること。
 B 一貫運賃を設定していること。
 等の特色がある。フレートライナーによる貨物輸送は, 〔I−(II)−34表〕のとおりである。
  フレートナイナーおよびコンテナ貨物の集配については,簡易な運賃料金制度を採用するとともに,集貨力の増大,配達の迅速化など集配能力の拡充を図るため,基地駅に免許を有する事業者には,同一集配圏内にある他の各基地駅にも免許を与える広域集配体制を採用している。
  今後,さらにコンテナ輸送を増進するためには,通運事業者がコンテナの集荷力を拡大するとともに,@国鉄による東海道,山陽地方を中心とするフレートライナー輸送網の拡充とネツトワーク化の推進。Aコンテナ基地の整備Bコンテナ規格の統一化と私有コンテナによる利用運送の増進。Cトラツクの鉄道利用の容易化を図つていく必要がある。
  また,近年における流通経費の節減,労働力の不足現象等に対処するためには,コンテナ輸送のほか一貫パレチゼーシヨン体制を早急に整備していく必要がある。
  一貫パレチゼーシヨンとは,発荷主の戸口から着荷主の戸口まで,同一パレツト上に貨物を積載して輸送することをいい,現在,通運取扱数量のうち一貫パレチゼーシヨンによる貨物量は 〔I−(II)−35表〕のとおりである。なお,一貫パレチゼーシヨンに貨物の貨車積卸料については,10%の割引を行ない,その推進を図つている。

  しかし,一貫パレチゼーシヨンの実施については,パレツトの規格統一や交換パレツト制の整備が前提となるため,多くの問題が存在しているところから,これの具体的推進にあたつては,その実施要領を制定し,促進を図る必要がある。

(2) 通運作業の近代化

  国鉄貨物輸送の近代化に対応する通運能力の確保,流通コストの低減,経営の合理化を図るため,機械化,省力化等通運作業の近代化を推進する必要がある。

(3) 大都市における通運集配対策

  通運事業においても,大都市における貨物輸送は 〔I−(II)−36表〕のとおり,集配効率の低下輸送量の急増と輸送力の絶対的不足および都市貨物輸送のコストが急速に増大していること等深刻な問題をひき起している。

  これに対処するためには,大都市の通運集配について,次の施策を積極的に推進していく必要があるものと思われる。
 @ 輸送効率の向上……統合合併,共同集配の積極化
 A 荷役効率の向上……積卸の系統別一元化,パレツト輸送,その他端末荷役の機械化の促進
 B 都市高層化への対応策……荷主側と協力して団地等に共同荷受施設の整備の奨励


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