2 45年度の建造および受注の状況
(1) 概況
新造船建造量(竣工量)は2,603隻,1,057万総トン,前年度比(トン数ベース)5%増であつた。
受注量(建造許可ベース)は, 〔II−(IV)−2図〕のとおり,国内船226隻411万総トン(前年度比12%減),3,292億円,輸出船376隻1,256万総トン(46%増),1兆1,497億円,合計602隻1,66万総トン(26%増),1兆4,789億円であつた。
国内船受注の特色としてはわが国最大の37万重量トン油送船1隻の受注のほか,長距離カーフエリーの受注,高度自動化船の増加,近海貨物船の減少等があげられる。輸出船受注の特色としては,支払条件が大幅に造船所側に有利になつたこと,円建契約が本格的に行なわれ,906万総トン,8,264億円と輸出船受注量の船価の約70%を占めたことなどがあげられる。
(2) 大手鋼船造船業(大手中核企業7社,中級企業7社,主要28工場)
イ 建造量
主要28工場の建造量(竣工量)は228隻,910万総トンと前年度に比べトン数で5%の伸びにとどまつたが,これは設備,技術の合理化が一巡したことに一因があると考えられる。内訳は,国内船79隻,306万総トン,輸出船149隻,604万総トンとなつている。なお,大手鋼船造船業の建造量は総トン数でわが国鋼船造船業全体の86%を占めている。
ロ 受注量
新造船受注量(建造許可実績)は国内船59隻,332万総トン,輸出船261隻,1,165万総トン,合計320隻,1,497万総トンで前年度比22%増である。
ハ 手持工事量
45年3月末現在で国内船64隻,345万総トン,輸出船449隻,2,219万総トン,合計513隻,2,564万総トン,前年同月比30%増と史上最高の手持工事量を確保した。これは従来の工事実績からみて約2〜3年分の工事量に匹敵する。
(3) 中小造船業
イ 中小型鋼船造船業
中小型鋼船造船業の建造量(竣工量)は2,375隻,147万総トンで,うち国内船2,292隻,120万総トン,輸出船101隻,27万総トンである。45度は総トン数で前年度比4%増,輸出船は42%増,国内船2%減であつた。
新造船受注量(建造許可実績)は282隻,170万総トン,うち国内船167隻,79万総トン,輸出船115隻,91万総トンで,全体で前年度比77%増であつた。
ロ 木船造船業
木船建造量は年々減少の傾向にある。これは主として内航貨物船の鋼船化によるものである。また,沿岸漁業も不振で木製漁船も漸減の傾向にある。
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