2 空港整備の状況


(1) 45年度の整備状況および46年度の整備計画

  46年度空港整備関係予算は226億円で,45年度の145億円に比べ56%の増となつた。また,国庫債務負担行為は50億円で45年度の49億円に比べ2%の増となつた。45年度および46年度の空港整備事業のおもな内容は以下のとおりである。

 イ 第1種空港

      東京国際空港については,45年度にはB滑走路を2,500メートルに延長したが,46年度はこれに引き続きB滑走路着陸帯を300メートルに拡幅するほか無線施設等の整備を実施する。大阪国際空港については,45年度には平行誘導路工事等を実施し,46年度はエプロンの増設および整備地区の用地造成のほか無線・照明施設の整備を実施する。

 ロ 第2種空港

      45年度は函館仙台,広島,松山,新熊本,新大分,新鹿児島の各空港について滑走路を2,000〜2,500メートル級に整備する事業等を継続実施し,このうち新熊本空港では46年4月に2,500メートル滑走路の供用を開始した。46年度には前空港整備5ヵ年計画のもとで整備を進めてきた継続事業のうち主要なものは,46年度中に整備を完了させることとし,上記7空港の滑走路,誘導路,エプロン等の諸施設およびILS(計器着陸装置)等の保安施設の整備を図る。さらに,新計画の下でジェット化対策として新潟,釧路両空港については滑走路を2,000メートルに延長する事業,大村空港では2,500メートルの滑走路を新設する事業に着手するほか,名古屋等6空港で所要の事業を実施する。

 ハ 第3種空港

      45年度には青森,八丈島,種子島の各空港で滑走路を1,500メートル延長する工事を実施した。46年度は上記3空港の滑走路延長工事を完成させるとともに,ジエツト化対策として宇部,佐賀両空港の滑走路の新設工事に着手する。また,帯広,鳥取両空港では滑走路を1,500メートルに延長するほか,新たに対馬空港の建設に着手する。このうち,鳥取空港については46年度で延長工事を完成させる。なお,富山,出雲,三宅島,隠岐の各空港において,進入角指示灯を設置し,山形空港で滑走路等の改良を実施する。

 ニ 共用飛行場およびその他飛行場

      45年度は千歳,丘珠両飛行場で滑走路をそれぞれ3,000メートル,1,400メートルに延長する工事を実施したほか,板付飛行場でエプロン増設および駐車場の整備を実施した。46年度は千歳,丘珠両飛行場でエプロンの整備を実施する。また,東京ヘリポートを14号埋立地に移設する。このほか,板付等5飛行場で所要の事業を実施する。

 ホ 航空事故防止緊急対策

      46年7月に起こつた「ばんだい号」の事故により航空事故防止緊急対策として航空保安施設等の繰りあげ実施を行なうことが7月16日閣議の了解を得,函館,新熊本,新大分,松山でVOR/DME(超短波全方向式無線標識/距離測定装置)山形,福江で滑走路の拡幅等,旭川,帯広,大島,壱岐,種子島に進入角指示燈,滑走路末端識別灯設置等の事業が行なわれることになつた,この結果,46年度の空港整備事業費は234億7,900万円となり,当初の事業費に比べ8億6,600万円の増となつた。

(2) 空港整備事業調査

  46年度は4億6,600万円をもつて関西新空港計画作成のための調査(空港離着陸能力シミュレーシヨン調査,ターミナル分離についての検討等),同空港の建設にともなう港湾,道路等の試機能に関する調査(新空港交通体系調査,航路再編成調査,台風時避難泊地調査)および自然条件調査(波浪調査,潮流調査,汚染調査,気象波浪観測調査),騒音調査等の調査を実施する。


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