2 旅行あつ旋業法の改正


  近年の盛んになりつつある旅行ブームの中で,国民の旅行形態も大型化,多'様化してきている。このような傾向は,国民所得の増大,余暇時間の増加とともに海外旅行を中心にした各種パツケージツアーの普及によりさらに顕著なものとなつてきている。
  現行の旅行あつ旋業法は,27年に制定以来,本業界の健全な発展に寄与してきたものであるが,最近においては,上述のような旅行業界の新しい傾向に十分対応しきれなくなったきらいがあったので,46年5月10日同法を大幅に改正し,国民に安全かつ快適な旅行を提供すべく旅行業者の行なう取引の適正化等の規定を種々設けることとした。改正法に規定された事項の主なものは次のとおりである。
 @ 法律の名称を「旅行業法」に改め,取り扱う事態の範囲を明確化した。
 A 業者の健全な発展を確保できることを考慮して,営業保証金を定めることとした。
 B 一定の資格を有する旅行業務取扱主任者を営業所ごとに選任し,取り扱う業務を監督させることとした。
 C 旅行業者が旅行者と取引する場合に当たっての準則を設け,取引約款を運輸大臣の認可にかからしめることとした。
 D 旅行業者の外務員(セールスを行なう者)に身分証明書を携帯させることとした。
 E 運輸大臣の指定する旅行業協会に,旅行業の取引に関する苦情の処理,旅行業者の従業員の研修および旅行業者の責に任すべき損害についての弁済業務等の事務を行なわせ,旅行者の保護について万全を図ることとした。


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