1 一般動向


  45年秋口よりはじまつた国内景気の停滞は,46年6〜8月にかけて回復のきざしをみせたが,国際通貨情勢の急変とともに,景気の先行き不安から製造業の設備投資欲は後退し,企業の減産強化や新規雇用の抑制などの動きが広がつた。
  一方人件費,諸経費の上昇によつて,全産業の総資本収益率は, 〔1−4−1図〕のとおり,44年度下期をピークとして,46年度上期3.10%,下期2.91%と下降線をたどつている。

  運輸業の動向をみると,総資本収益率は44年度下期に2.36%まで低下したが,その後,海上貿易量の増大と国際海運市況の高騰によつて海運業が大幅に増収増益となつたことによつて,総資本収益率は45年度下期には3.93%と上昇した。しかし,45年末から外航海運市況が急落したことと,国内の景気低迷によつて海運業および道路運送業の落ち込みが大きく,46年度上期3.10%,下期2.32%と推移している。


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