1 自動車公害の防止対策
大気汚染については昭和45年7月に運輸技術審議会より答申のあつた「自動車排出ガス対策基本計画」にしたがつて48年および50年を目標として有害排出ガス低減達成の努力を続けている。
自動車排出ガス規制は41年9月以来逐時規制を強化してきたが,さらに47年3月に道路運送車両法の保安基準を改正し,一酸化炭素については47牢10月1日より使用過程車のアイドリング時の規制を5.5%から4.5%に強化し,炭化水素については47年7月より新型車に,48年4月より新車について燃料蒸発ガス排出抑止装置を備えつけることが義務づけられ,これによつてすでに備えつけることが強制されているブローバイガス還元装置と合わせれば炭化水素排出量を約半分に減少させることが可能となつた。また,今回デイーゼル車の排出黒煙の規制が新規に追加され,47年10月から新車について規制が行なわれることになつた。
また光化学スモツグによる被害の急増にかんがみ,47年8月に「光化学スモツグに対する自動車排出ガス対策について」の計画を発表し,窒素酸化物の新規規制と炭化水素の規制強化を48年4月を目途として案施するとともに,使用過程車についても排出規制を強化することとし,保安基準の改正を急ぐこととなつた。さらに大気汚染の現状を緊急に緩和するためには,自動車の排出ガス清浄方式についての技術上の問題点を早急に打開することが要請される。
騒音については,ISO(国際標準化機構)の国際基準をとり入れた道路運送車両保安基準による規制の強化が46年度から実施された。なお,人間の騒音感覚については未知の分野が多いので,運輸省交通安全公害研究所において,今後「うるささの定義」,自動車1台ごとの騒音と環境騒音との相関,さらにこれらをふまえた減音対策の研究脅すすめることにしている。
廃車公害については,この問題が顕著になる以前に,有効な廃車処理システムを確立する必要があろう。
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