(1) 交通網の充実
経済の発展や生活領域の拡大をめざして,鉄道網,道路網,航空網,航路網等の拡充が図られてきており,46年度末現在,新幹線営業キロ680km,高速道路813km,中・長距離フエリー約6,200qに達している。これにより地域間交通において選択の利便性,すなわち利用者の時間的,経済的条件に従つて交通手段を選択できる利便が生まれた。選択可能性の最も大きい東海道メガロポリスについてみると,39年に東海道新幹線が開通し,44年には東名・名神高速道路が全通,さらには46年に京浜・阪神間にフエリーが就航し,新幹線,高速道路,フエリー,航空と陸・海・空の近代的輸送機関が出そろい,多様な交通サービスを提供している。
交通網の充実は選択の利便性をもたらすとともに交通機関相互の接続や乗換えを便利にしている。
道路交通については,道路建設に伴うバス路線網の拡大により,住民の足の便が高まるというケースもみられるほか,道路整備によりマイカー利用による利便性も高められている。このためマイカーの普及はめざましく,35年には,1台あたりの人口も260人であつたものが,45年には15人と世界にも例のない急激な増加をなし,道路整備とあいまつて便利で快適な市民の足として市民生活の向上に一役かつている。しかし,最近は急増するマイカーに道路整備が追いつかず,とくに大都市において深刻な問題を生じつつある。
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