3. 交通施設の先行的整備
今日の生活環境悪化の背景として,民間投資に対する公共投資の不足が指摘されている。また,量的な不足ばかりでなく,民間部門の先行に対して,後追い的になつたことも大きな要因となつている。生活環境条件の整備を行なつて,豊かな市民生活の基礎を築いていくには,公共支出をふやし,それを先導的に活用することが期待されている。全国交通ネツトワークの整備,大都市地域の再開発等は,必然的に,きわめて大規摸な公共プロジエクトとなる。そして,この面においても,運輸交通部門は重要な役割を果たすことが可能である。
また,公共投資としての交通投資は,直接には,輸送サービスの供給増,安全の確保等をめざすものであるが,外部経済効果もきわめて大きいものである。交通投資のもつこれらの特性を利用して,交通施設を先行的に整備することにより,国土利用および経済体質の改善を図つていくことが必要である。
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