3. 労働問題


(1) 春闘状況

  47年度賃上げ要求は,3月10日,大手および中小ともほぼ18,000円の要求書を提出し,3月中旬から交渉が続けられてきた。
  大手中央集団グループは,4月4日以降集団交渉が続けられてきたが,解決を見ぬまま4月23日大手6社が24時間ストに入つた。
  24日に至り中労委は職権あつ旋に入つたが解決に至らず,27日大手9社が48時間ストに入つた。
  この間,中労委はあつ旋を続行し,27日10,200円のあつ旋案を提示した。これを労使双方受諾し,組合は1時40分ストを中止した。
  これに関連して,中小の大半は27日大手支援ストに入つたが,そのほとんどは大手と同時に中止した。
  また個別交渉の小田急は,4月28日10,800円,西武は4月27日10,350円をもつて妥結した。
  その後中小は6月18日までにすべて解決した。

(2) 賃金

  民営鉄道の賃金は 〔I−(I)−27表〕のとおり大手私鉄と中小私鉄の間には格差があり,公営交通は高額となつている。

(3) 生産性の向上

  大手私鉄においては,50年度における従業員1人当り生産性を35年度の約2倍とすることを目標とする長期省力化計画を樹立し,その実施に努めている。この結果,46年度においては,車両走行キロは35年度に比べ83%増と伸びているが,従業員数は3%増とほとんど横ばいであり,従業員1人当り車両走行キロは,35年度の77%増とめざましい向上を示している。
  これに対し中小私鉄は経営の合理化,省力化に努めているが,輸送需要が減少ないし横ばいの傾向にあり,路線の休廃止がかなりある現状で,労働生産性の向上も今後多く望みえないものと思われる。


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