1. 国鉄のローカル線対策
国鉄ローカル線の公共輸送機関としての地位は,一般的に低下しており,自家用自動車を含む自動車輸送との競合関係にさらされている。このような国鉄ローカル線はその輸送密度,道路の整備状況,自然条件,地域開発計画との関連,ナシヨナルミニマムの確保等の見地からみて存続すべきものも少なくないが,輸送量が激減し,他方バス等による代替輸送の確保が可能であり,道路輸送への転換を図る方が国民経済的に有利である線区も多くなっており,これらは国鉄財政上も負担となつている。これらローカル線の処理については,国鉄では代替バス輸送について十分の措置をとつたうえ,44年度以降現在までに,21線区,151kmの廃止を行なつてきた。
今後国鉄ローカル線対策を円滑に進めていくためには,自動車と鉄道の合理的な選択による最も効率的な地域交通体系の確立とナショナルミニマムとしての鉄道輸送の確保について地域住民の意思の反映のもとにこれを推進し得るようなシステムを早急に確立する必要があろう。
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