1. 超高速鉄道
現在の新幹線鉄道は大量高速の輸送機関として極めて重要な地位を占めているが,東海道新幹線は,昭和50年代の中頃には輸送力が限度に達するものと予想され,46年7月の運輸政策審議会の総合交通体系に関する答申の中で言及されているように東京・大阪間に第2東海道新幹線として超高速鉄道を採用することが検討されている。
運輸技術審議会では,超高速鉄道の需要予測,技術上の可能性および問題点等について審議し,46年5月運輸大臣に答申した。この答申によると,表定速度300km/h以上の超高速鉄道が適当であるとして,その方式は,リニアモーター,磁気浮上方式が最も将来性があるものとされている。
また,その最先端技術の開発を図るため,国鉄を中心とした総合的な開発体制を定めて,超高速鉄道の実用化を推進すべきであるとしている。
この方針に基づき,46年度より国鉄を中心として,学会,産業界等国内の総力を結集して超電導技術,極低温技術等必要な開発を行なつており,47年度には第1案験線に着工するとともに,引き続いて走行実験も開始する計画で研究を進めている。
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