2. 騒音対策


  新幹線の列車運行に伴う騒音防止については,計画当初から軌道関係では,ロングレールの採用,ゴム製振動吸収パツトを使用した弾性締結装置の使用,車両関係では空気バネを採り入れた新機構台車の開発,しや音効果を図つたスカートの取り付け,また,必要かつ設備可能な箇所には,コンクリート防音壁を線路沿いに設置する等の措置を講じており,開業後においても,特に騒音の著しい箇所に対しては,防音装置を設置してきた。
  新幹線のように高速で走行する鉄道から発生する騒音はレールと車輪との接触による金属摩擦音が,その主たるものであり,その抑制には,おのずから限界があるが,山陽新幹線については,東海道新幹線の騒音対策を生かし,無道床の鉄げたの使用をさけ,防音壁,軌道ならびに車両の構造についても改良を加える等新しい技術の採用により騒音防止対策を行なつている。今後も騒音の防止に関する技術的研究及び開発を積極的に推進し,より効果的な対策を確立し,騒音防止に努める必要がある。
  なお,昭和46年10月1日付けで,新幹線鉄道構造規則を改正し,列車の走行に伴い発生する著しい騒音を軽減するために,弾性締結装置,ロングレール等の採用,学校,病院等に隣接する線路に対する防音壁の設置,車両の騒音軽減構造等について規定した。


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