2 コンテナ船


  わが国の主要定期航路のコンテナ化は,海運造船合理化審議会の2回にわたる答申に基づいて逐次進められており, 〔II−(I)−5表〕のとおり,加州,豪州,北米北太平洋航路に引き続いて,46年12月には欧州航路,47年8月にはニユーヨーク航路がコンテナ化された。さらに,地中海航路のコンテナ化,既設航路の増配計画もあり,わが国のコンテナ化は着々と進められている。

  このようなコンテナ化の進展に伴い,定期船貨物のコンテナ化率は年々着実に高まつてきており,46年においては加州航路および北米北太平洋航路あわせて往航の定期貨物の73%がコンテナ化され45年の64%に比べさらにコンテナ化がすすめられた。豪州航路においても,45年後半(7月〜12月)の55%から46年76%と大幅にコンテナ化率が高まつた。
  一方,外国海運会社のコンテナ化も急速に進められており,とくに日本〜北米関係の航路においては,46年8月のアメリカのPFEL社によるラツシユ船の就航開始,46年12月の台湾のOOCL社によるコンテナ船の就航開始,47年5月のイスラエルのジムイスラエル社によるコンテナ船就航開始,さらに,アメリカのシーランド社による33ノツトの超高速コンテナ船の投入計画など,次々とコンテナ化の働きが活発化しており,船腹過剰から生ずる激しい競争が懸念されている。このため,北米関係の航路では,適当競争,運賃暴落などの航路の秩序混乱を生じた北米〜欧州航路の二の舞を避けるため,同航路に従事する関係船主は荷動き量に対応して秩序正しく計画的にコンテナ船を投入するなど,航路の安定に努力を払つていく必要がある。

(1) 加州航路

  43年8月からわが国海運会社が2つのグループを形成し,6隻のコンテナ船によつて運航を開始したが,46年末から1,000個積船3隻が増配され,現在9隻によつて運航されている。46年の輸送実積は米国の港湾ストライキによつて大きな影響を受け輸送量は往復航とも45年より減少した。
  なお,48〜49年までの間にさらに3隻の増配が計画されているが,外国の海運会社の増配計画もあり,競争の激化が予想されている。

(2) 豪州航路

  44年10月よりわが国海運会社4社の2つのグループに分かれてそれぞれ外国海運会社と提携し運航を開始し,現在4隻のコンテナ船が投入されているが,輸送量は年々着実に増加しており48年には日本船1隻の増配が計画されている。

(3) 北米北太平洋航路

  45年5月からわが国海運会社が一体となつて3隻のフルコンテナ船で10日ごとのサ一ビスを行なつており,46年の輸送量は前年に比べて飛躍的に増加し,順調な運航を続けている。将来の荷動き量を勘案して,48年から49年までに1,000個積船3隻の増配が計面されている。

(4) 欧州航路

  わが国海運会社2社が英国2社,西独1社と提携して,トリオグループを形成し,46年12月より5隻のフルコンテナ船により運航を開始した。本航路には48年までに日本船5隻のほか,外国船18隻のコンテナ船の投入が計画されている。

(5) ニユーヨーク航路

  昭和47年8月,わが国海運会社5社が,スペースチヤーター方式によるコンテナ船の運航を開始したが,48年7月までに7隻のコンテナ船が就航し,ウイークリーサービスを行なうことになつている。


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