3 離島航路の助成


  離島航路は「離島航路整備法」に基づき指定された離島振興対策実施地域(対象島しよ数846のうち有人島336,45年3月末現在対象人口103万人)にかかる航路およびこれに準ずるいわば陸の孤島ともいうべき地域を結ぶ航路をいい, 〔II−(I)−18図〕のように47年3月末現在,旅客定期航路963航路のうち,56.3%にあたる542航路の多きを数えている。

  これら離島航路の大部分においては,過疎化現象の進行に伴い輸送需要が絶対的に少ないか,あるいは伸悩みの傾向にあり,他方,人件費をはじめとする諸経費の高騰は避けられない状況にある。このように離島航路は,収入,支出の両面で厳しい環境下におかれ,航路の維持が困難となつているものが多いが,離島住民の生活の安定と福祉の向上を図るためには,航路の確保が必須条件であり,サービスの改善を図る必要がある。
  このため, 〔II−(I)−19表〕のとおり,4年から国庫補助制度を大幅に改正して離島航路の助成策を充実し,46年度には,58事業者67航路に対し,3億4,690万円の補助金を交付し,47年度予算では66事業者,76航路に対し,3億9,894万円の補助を行なうこととなつている。また,老朽船の代替建造とサービスの向上のため,船舶整備公団による船舶建造も推進しており,47年度予算では,19億円の資金が確保されている。

  補助金交付航路の収支状況を44年度から46年度までについてみると, 〔II−(I)−20表〕のとおり,収支率は64.2%から63.2%へと悪化している。

  以上のように46年度においては,収入の伸びに対し,費用がこれを上回る伸びを示しており,今後もこのような傾向が続くかぎり離島航路の収支改善への道はいぜんとして遠いものと思われる。


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