2 長距離フエリーをめぐる諸問題


  貨物輸送需要は,最近では量的に拡大するばかりでなく,輸送方式でも戸口から戸口への一貫輸送の要望が一層高まつているが,自動車輸送の発展には道路整備の遅れ,運転手不足の深刻化などのネツクがあるため,海上輸送手段を利用した協同一貫送体制を推進する機運が高まつている。また,国際コンテナ輸送のフイダーサービスにみられるように,コンテナなどの特定の貨物を積載した自動車の海上輸送需要も増大している。長距離フエリーはこれらの要請に応える輸送機関としてその使命はますます増大するものと思われる。
  また,旅客輸送の面においても,レジヤーの発展に伴い旅行過程自体を楽しもうとする傾向が強まつており,長距離フエリーはこれに適した交通機関として脚光を浴びている。
  このような貨物,旅客輸送両面からの要請に応じて,長距離フエリーは年々航路網が整備され,現在では就航準備中の航路を含めるとほぼ全国的にネツトワークが形成されるに至つており,今や航路網の拡大に重点を置く初期の段階からすでに張りめぐらされた航路の質的充実に重点を置くべき第2の段階に移行しつつあるといえる。
  したがつて今後は,このような航路網の現状に十分配慮しつつ総合交通体系の一環として陸上フレートライナー、高速道路におけるトラツク輸送など,他の輸送機関との調整をとりながらその充実発展を図る必要がある。
  つぎに,長距離フエリーの経営面については,事業者は荷主トラツク事業者などの要求に合致した事業計画を策定し,関係事業者との緊密な連携協力のもとに海陸一貫輸送体制の整備を図ることが当面の課題であり,また,既に一部において採用されつつある農産物の産地直送方式など,新しい輸送需要の開拓に努める必要があろう。
  港湾施設の整備は,現在では中長距離フエリー航路開設の要請に対して必ずしも十分でないので,昭和46年度から港湾管理者が主体となつて設立するフエリー埠頭公社(財団法人)が政府からの無利子融資などを受けて整備を行なうこととなり,港湾整備5カ年計画では昭和50年までに全国22港において合計54バースのフエリー専用埠頭を整備することとなつている。この港湾施設の運営にあたつては,中長距離フエリーの機能を十分発揮し,かつ利用者の利便に十分応じられるような体制の確保が必要である。


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