2 沖縄復帰と内航貨物輸送
昭和45年度における沖縄,本土間の海上貨物輸送量は約150万トンで45年度に比べて87%の伸びを示している。本土から沖縄への貨物輸送需要は,本土復帰を契機とした沖縄の開発に伴い,建築資材,プラント類,生活必需品等を中心に今後も増大するものと考えられる。また,沖縄本島においては,最近各地で石油輸入基地(C.T.S.)および石油類の輸送需要も増大するものと予想される。
沖縄・本土間は,沖縄の本土復帰に伴い,内航航路として内航海運業法による規制を受けることとなつた。しかし同航路においては従来本土船社6社,沖縄船社3社,外国船社2社の計11社からなる沖縄航路運賃同盟が結成され,旅客,貨物を含めて輸送秩序の維持を図つており,このような事情を考慮して,政府は,琉球政府のかねてからの要望に基づいて,去る46年3月23日閣議決定された「沖縄復帰対策要綱(第2次分)」において復帰後も一定期間は同盟による現行輸送秩序を尊重し,安定した輸送力の確保を図るべきことを決定した。この決定に基づき本土の海運組合は同盟と協議のうえ,内航海運組合法に基づく配船調整を実施し,同盟船社以外の者が同航路に無秩序に進出することを防止することとした。ただし,石油類の輸送については,従来から同盟加入船社は,これに従事しておらず,復帰後もとくに輸送秩序に混乱が生ずることは予想されないので,内航海運業法による規制は別として上述のような海運組合による配船調整は実施しないこととしている。
なお,復帰前に同盟に加入していた外国船社2社は,同航路が内航航路となり,外国船の就航が認められなくなつたため同盟から脱退した。
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