2 賃金水準


  商船船員の定期月額給与は,前掲の表のとおりであるが,46年を45年と比較してみると,外航(3,000トン以上)は11.7%,内航は160%の増加を示しており,上野率では内航部門で陸上産業を上回り外航部門で下回つている。船員給与の上昇率は,ここ数年外航より内航の方が上回つているが,これは,内航部門における賃金が,外航部門のそれと比較して依然として低いことから,内航部門においては,労働条件の改善を余儀なくされているためであると考えられる。
  漁船船員の賃金については 〔II−(II)−18表〕のとおり,賃金支払形態はそのほとんどが全歩合給制かまたは固定給と歩合給の併用制で占められており,全固定給制をとつているものはわずかに3.4%にすぎない。

  これは漁船船員の給与が漁獲物の水揚高によつて決定される属性が高いことを示している。
  賃金支払形態の動向を41年と45年とを比較してみると,全歩合給制が減少の傾向を示し,固定給と歩合給の併用制と全固定給制によるものが増加傾向をみせている。


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