4 沖縄における空港整備


(1) 空港の現況

  現在,沖縄には本島の那覇空港と7つの離島空港がある。那覇空港は2,550mの滑走路を有し,沖縄の本土復帰とともに米軍より返還を受け,運輸大臣が設置管理する第2種空港として運用されており,B-747,DC-8,B-727,YS-11機等の航空機が就航している。年間の乗降客数は昭和45年度において国際線178,000人,本土線282,000人,島内線317,000人,計777,000人に達している。
  離島空港としては1,500mの渚走路の宮古,石垣および1,200mの滑走路の与那国,久米,南大東の5空港が設置されており,那覇空港を中心にYS-11機が就航している。この他に米民政府の援助により建設された未舗装の滑走路をもつ多良間,北大東の2空港があり,緊急用に使用されている。

(2) 空港の整備

  沖縄における昭和47年度の空港整備関係予算は那覇空港6億円,離島空港11億円,下地島訓練飛行場10億円の計27億円であり,整備の内容は次のとおりである。
  那覇空港については,50年3月から開催される海洋博を目標に大型機を対象とした滑走路,誘導路,ターミナル地域,航空保安施設等の整備を行なう。このうち47年度は,2,700mへの滑走路の延長および改良,誘導路,航空保安施設等の改良を行なう。
  宮古,石垣,久米の3空港については,YS-11機用空港として本土並みの整備水準にするため滑走路改良,航空保安施設の整備を行なうとともに,航空旅客需要の増大に対応するターミナル地域の整備を行なう。
  その他の離島空港については47年度において,STOL機(短距離離着陸機)等を対象として700〜800mの滑走路の整備を行なう。
  宮古群島の下地島には沖縄県(当時琉球政府)の誘致によりジエツト機用の訓練飛行場を建設中である。この訓練飛行場は大型ジエツト機等の乗員を養成することを目的とするとともに,大型プロジエクトとして建設期間中はもちろん供用開始後においても先島諸島の経済発展の一助となるものと期待されている。飛行場の施設としては3,000m滑走路,平行誘導路,エプロンおよび計器着陸装置,進入灯等の航空保安施設を完備する計画であり,飛行場と航空会社等の民間投資を含む関連事業をあわせて約130億円の資本投下が行なわれる予定である。46年度に用地の買収と用地の造成に着手しており,47年度も引き続き用地造成を行なう予定である。


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