4 旅行者の保護


  最近における旅行需要の著しい増加と旅行形態の多様化に対処し,旅行の安全確保と旅行者の利便増進に資するため,46年「旅行あつ旋業法」を全面改正した「旅行業法」が制定,施行された。
  主な改正事項は,まず運輸大臣の指定する旅行業協会に苦情処理,従業員の研修及び弁済業務(協会の保証社員から営業保証金の代りに分担金を集め,その社員と取引をした者に対し,取引によつて生じた債権について弁済する業務)を行なわせ,旅行者の保護を図ることである。
  これにもとづき運輸大臣は,47年4月5日一般旅行業者及びその代理店業者を社員とする(社)国際旅行業協会と国内旅行業者及びその代理店業者を社員とする(社)全国旅行業協会とを指定し,両協会はそれぞれ法定された業務を案施している。とくに弁済業務の制度は世界に例のない新制度であり,両協会とも47年8月1日から業務を開始している。
  改正の第2点は,旅行業務取扱主任者制度の新設である。この制度は,一定の資格を有する主任者を営業所ごとに選任して業務の監督を行なわせ,取引の公正を確保しようとするものであり,47年日月10日から施行されることになつている。
  改正の第3点は,旅行業者と取引をするにあたつて守るべき準則を設けたことであり,具体的には旅行書面の交付,誇大広告の禁止等がある。
  以上のとおり,旅行業務に関して各種の規制が整備されてきたが,観光旅行は益々増大し,国民生活における重要性も高まりつつあるので,今後とも旅行業に対する適切な指導監督をすすめてゆく必要がある。


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