3 自家用トラツクによる輸送
〔3−28表〕は,営業用トラツクと自家用トラツクの使われ方を比較したものであるが,自家用トラツクは台数において94%を占めており,またその9割が小型車である。自家用トラツクは,台数では営業用に比し圧倒的に多いにもかかわらず,輸送トンキロで営業用と同程度の輸送しか分担しておらず,1台当りの輸送トンキロは,営業用に比べて普通車で1/3,小型車で1/4である。また積載効率(輸送トンキロ/能力トンキロ)でも,自家用は営業用に比べて普通車で30%,小型車で14%下回つており,自家用でも主として貨物輸送に使用されると思われる普通車において大きな違いがある。また,総輸送コストでは,45年産業連関表に基づく推計によれば,営業用約1兆2,000億円に対し,自家用約5兆円であり,トンキロ当りで自家用は営業用の4倍程度となつている。
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このように,自家用トラツクが営業用トラツクに比べて輸送効率が劣つている原因の一つとして,営業用トラツクが効率約輸送を主眼としているのに対し,自家用トラツクは物を運ぶこと以外の用途を兼ねている場合が多いことがあげられる。経済企画庁が47年に行つた調査によると,自家用トラツクを利用する理由としては, 〔3−29表〕に示すように,販売業務に関連した業務も行うからという理由が最も多く,自家用トラツクは,物の輸送だけでなく商業活動や人の移動といつた多方面の使われ方をしていることを示している。また, 〔3−30図〕に示すように企業規模が小さくなるほど自家用トラツクを利用する率が高くなつており,小回りのきく自家用トラツクが中小企業にとつて必要性が高いことがわかる。
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このように自家用トラツクは,それなりの正当な理由があつて使用されているのであるが,都市の交通混雑の緩和や,社会全体の物流効率化のために,輸送節約が要請されており,自家用トラツク輸送の効率化が望まれる。
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