1 鉄道車両工業鉄道車両工業は,鉄道車両製造業,同部品製造業及び修理業に分かれている。鉄道車両製造業者は16社,関係従業員は1万5,500人で,このうち車両の生産額50億円以上の企業は8社であり,総生産額の約90%を占めている。 鉄道車両の生産は,注文生産という特質上,鉄道事業者の経営等に影響されるところが大きく,このため近年経営多角化の傾向が強まつており,鉄道車両の専業度は年々低下している。 47年度の鉄道車両の受注実績は 〔I−(I)−31表〕のとおり6,258両,982億円で,46年度に比べ両数で1,005両,金額で279億円(39.7%)の増であつた。需要先別の動向をみると,国鉄は山陽新幹線の完成をひかえた新幹線電車,在来線の特急用及び通勤用電車,貨物輸送近代化に伴うコンテナ貨車の発注増により,前年度より927両の増となつた。民需も私鉄大手14社及び地下鉄等の車両増備とタンク車など私有貨車の需要増により,前年度より542両の増となつた。輸出は両数で464両と減少したものの,アルゼンチン向け電車92両及びソ連向け客車130両等1両当りの価格の高い電車・客車の受注によつて,金額で28億円(40.1%)の増となつた。
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47年度の鉄道車両の生産実積は 〔I−(I)−32表〕のとおり749億円で,前年度に比べ27.0%の増加となつた。これは,43年度に記録した最高生産額の約85%に当るもので,国鉄向け電車の大幅な伸びが目立つている。需要先別動向をみると,国鉄が513億円で51%の増で,新幹線車両を中心とする電車及び電気機関車が伸びている。民需は143億円で19.8%の減で,電車及び私有タンク車の減少が著しい。輸出は93億円で約3割の増で,なかでも貨車が著しく増加している。
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