1 技術開発の動向
国鉄では,輸送方式の近代化を図るため,都市間旅客輸送については,在来線の高速化,全国新幹線網の開発に際して営業運転250km/hを可能にするための試作電車の製作,自動運転,雪害対策等に対する技術開発を行つており,更に将来の社会を考慮した超高速鉄道の開発に着手している。貨物輸送については,物資別適合及び協同一貫輸送,貨物列車の大単位化と速度向上,ヤードの自動化,チューブ輸送等の開発を推進している。
また,運営システムの近代化を図るため,運転,旅客及び貨物情報処理システムの研究が行われ,省力化と経費節減面に対する研究として,メンテナンス・フリー化,作業の機械化・自動化が,社会的に要請されている環境保全については,騒音・振動防止及びPCB対策等に対する研究が強力に推進されている。
民営鉄道では,安全確保,省力化及び速度向上対策の技術開発を初め,サイリスターチョツパ制御方式の採用によるトンネル内の温度上昇防止,冷房システムに関する研究等輸送サービスの改善にも努力を払つている。
鉄道車両工業においては,国鉄,民鉄の技術開発に対し協力するとともに,超高速鉄道及び新交通システムの開発を積極的に推進している。
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