2　タクシー輸送改善対策

　　計画配車制度の確立,無線タクシー車両の増強,無線タクシー専用電話の設置,タクシー乗場の増強等により現行のタクシー輸送力の適正化及び輸送形態の改善を図り,タクシーを利用しやすくする。
　　以上の対策に基づき,各陸運局が都市ごとの具体化計画を策定し,路線網の再編成,終車時刻の延長,停留所標識の整備等の推進を図つているが,この対策の一環として行われたおもな施策はつぎのとおりである。

(1)　新住宅地バス路線開設運行費補助制度の創設

　　首都圏及び近畿圏において,日本住宅公団,地方公共団体,地方住宅供給公社等の公的機関により開発される新住宅地に開設されるバス路線の運行費について,車両,車庫,バス折返し用地等を新住宅地開発者が負担することを条件として国及び地方公共団体が1/2づつ補助する制度を48年度から創設し,これに要する経費として48年度予算において約2,700万円を計上している。

(2)　バス・ロケーシヨンシステムの開発

　　バスの運行をコントロールして一定間隔にバス運行を維持するとともに,停留所において旅客に対しつぎのバスの到着時間を知らせるいわゆるバス・ロケーシヨンシステムを開発し,48年6月から東京の渋谷駅周辺においてその実験運行を行つている。

(3)　大都市用モデルバスの開発

　　大都市におけるバス輸送条件,運行形態に適した低床,低ステツプ,広巾3ドアー,ノークラツチ等の性能を備えた大都市用モデルバスを,科学技術応用研究補助金により開発し,48年4月から東京及び大阪において実験運行を行つている。

(4)　バス優先信号の開発

　　運輸省及び警察庁の指導の下に,日本自動車輸送技術協会が,48年度において,バス優先信号を開発し,年度後半に東京都において実験運行を行う予定である。