2. 財務内容


  47年度末における外航海運助成対象会社44社の財務内容を見ると,総資産は,1兆7,240億円と前年度末に比較して2,205億円,14.7%増加したが,その大部分は,船舶,コンテナ関連施設等の固定資産の増加によるものである。
  海運業は船舶という固定資産を営業手段の主体とする産業であり,他産業に比しても総資産中に固定資産の占める比率が高いが(海運業76.3%,生産業44.0%),これを資金源泉の面から見ると他人資本(負債)1兆5,428億円,自己資本1,813億円となつており,他人資本が前年度比2,186億円,16.5%増加したのに対し,自己資本は業績の悪化により利益の留保が少なかつたため,前年度比18億円,1.0%の増加にとどまり,この結果自己資本比率は11%(前年度12%)と悪化した 〔II−(I)−10表〕

  船舶等固定資産が他人資本によつてまかなわれていることは固定比率が他産業に比して約3倍にも及んでいることからもうかがえるが,海運業の場合他人資本は固定負債を中心としているため,固定長期適合率はやや悪化したものの100%以下に保持されており,海運企業の財務基調は一応安定性を保つている。


表紙へ戻る 目次へ戻る 前へ戻る