1 外航の船員需給


  外航の船員需給状況を遠洋区域航行船舶の大部分を占めている外航2船主団体(外航労務協会,外航中小船主労務協会)についてみると, 〔II−(II)−7表〕のとおりで,前年と比べると船舶数,船員数とも減少しているが,予備員については職員でやや下回つたものの部員では増加している。

  予備員の内訳についてはここ数年変動を示してきているが,この状況を外航2団体についてみてみると, 〔II−(II)−8表〕のとおり休暇員が増加して傷病,療養員が減少していることがわかるが,なかでも休暇員の増加は,船員に対する労働条件改善の一環としての有給休暇,代償休暇日数の増大を明確に現わしたものといえる。

  需給変動の大きな要因となる離職率は, 〔II−(II)−9表〕のとおりであるが,離職数と入職数についてみると,離職数では,46年に比べ47年はほぼ横ばいになつているのに対し,入職数では46年に比べ47年は大幅に減少している。

  このことは,比較的定着率がよく,入職状況のよかつた外航部門にあつて,船内労働の省力化もさることながら,最近における不経済船の海外売船譲渡などの影響が現われたものと考えられる。
  船員の採用状況をみると,新規学卒者は職員657人,部員1,178人で前年の職員1,009人,部員1,199人に比べ職員で352人,部員で21人減少している。
  なお, 〔II−(II)−10表〕は,商船大学,商船高校(専)の海上就職率を示したものであるが,近年やや低下の傾向をみせており,特に商船大学の卒業者については,この傾向が顕著となつている。

  経験船員の採用状況では,職員428人,部員543人で前年に比べ40〜50%減少しているが,主な採用ソース別では 〔II−(II)−11表〕のとおりで職員,部員とも前年同様,内航,水産部門の依存度は低く,外航企業間での流動が高くなつている。


表紙へ戻る 次へ進む