2 内航の船員需給


  内航の船員需給状況を内航2船主団体(内航労務協会,一洋会)と全国内航船主協会とについてみると 〔II−(II)−12表〕のとおりで,前年に比べ船舶数で123隻,船員数で1,803人と大幅に減少している。

  船舶については,内航海運の体質改善,企業間における競争の激化に伴う船舶の大型化等が減少の要因であり,船員については自動化等による省力化が進んだものと考えられ,この傾向は部員部門で顕著となつている。また,乗組員の減少傾向にもかかわらず予備員率においては前年を上回つたが,これは外航と同様に有給休暇等の増加によるものと考えられる。
  船員の採用状況は,新規学卒者では職員で26人,部員で395人の入職をみたが,前年に比べ職員はほぼ同数の入職をみたものの,部員では191人の減少をみている。全体的な入職数の減少傾向にあるなかで経験船員に対する依存度は依然として強く,47年において職員1.574人(前年1,999人)部員2,780人(前年4,092人)の入職をみている。これら経験船員のソース別採用状況は 〔II−(II)−13表〕のとおりその調達された順位は前年同様内航から,外航から,水産から,その他からとなつているが,前年と比べ外航から調達されたものが比率で6%の伸びを示しているのが特徴といえる。

  内航の離職率は 〔II−(II)−14表〕のとおり依然として高率を続けており,このところ内航船員需給は,船員の定着の低いこと及び内航の企業間における流動が激しいことを示している。


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