2 教育内容の改善


(1) 技能教育の充実

  船舶の技術革新の急速な進展に伴い,船舶の運航技術は高度化し,船内の就労体制も大きく変化してきており,これらの変化に対応できる知識及び技能を船員に修得させることが必要となつてきている。
  このため,海技大学校においては,自動操舵装置,電路実習装置,電子回路実習装置等の各種自動化機器教材を整備するとともに,48年度から教科課程等を船舶の運航技術等の近代化に対応して改め,技能労働者の確保を図るべく技能教育を体系的に実施することとしている。
  海員学校においても,技能教育の徹底を図ることとし,逐年,自動制御装置等自動化機器の設置,老朽校舎の改築等,教材・施設の整備を進めて,一層の教育効果の向上を期している。
  更に,航海訓練所においては,老朽化が甚しい練習船を逐次代替建造し,船舶の技術革新に対応する練習船教育を一層強化することとしている。

(2) 内航船舶職員養成の強化

  最近における内航海運は,船腹の拡充計画の進展及び船舶の急速な近代化に伴う運航技術の高度化に対応し得る若年の船舶職員の養成が急務とされている。
  このため,粟島海員学校波方分校の養成定員を49年度から2倍の160名にすべく,学校の施設の拡充を図つているところであるが,更に,余剰となつている外航部員について,これらの者が海員学校を卒業し,内航職員に必要な知識・技能をほぼ有していることにかんがみ,これらの者を再教育して内航職員への転換を図ることも必要となつてきている。


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