2 海水油濁防止施設等の整備
(1) 港湾における廃油処理施設
船舶内において生ずる廃油を処理するため,全国に廃油処理施設の整備を進めてきたが,47年度末までに,バラスト等大量の廃油が発生する港湾についての処理施設の整備はほぼ完了したので,48年度以降は,ビルジ等少量の廃油が発生する港湾について,小規模な処理施設や受入れタンク等を整備し,できるだけ利用者の便を図ることとしている。48年7月1日現在では,49港74か所が整備されており,このうち,民間の廃油処理専門業者及び石油精製業者等が整備した施設は38港54か所,港湾管理者等が整備したものは20港20か所である。
(2) 港湾における廃棄物処理施設
運輸省は48年度より新規事業として廃棄物処理施設の整備を行うこととしている。
廃棄物処理施設は,最近急激に増加する廃棄物を港湾内の水面を利用して適正に最終処分するための埋立護岸並びに海洋性廃棄物(船舶,海洋施設において生じた廃棄物及び港湾管理者の業務の実施,その他海洋の汚染防除により収集された廃棄物)を処理するための受入施設,焼却施設及び破砕施設であり,その整備のため48年度,約110億円の事業費を予定している。
(3) 船舶における廃油処理設備
「海洋汚染防止法」は,船舶所有者に対しビルジ排出防止装置を船舶内に設置するよう義務づけている。ビルジ排出防止装置には,油水分離装置,漏油防止装置等があり,ほとんどの船舶は油水分離装置を採用しており,同装置によって分離した廃油を船舶内において合理的に処理するための廃油焼却炉も積極的に採用されている。また,油以外の廃棄物の排出規制に伴い,船舶内生活廃棄物の多い旅客船等にあっては,汚物処理装置の採用も多くなっている。
なお,これら油水分離装置,廃油焼却装置及び汚物処理装置の設置を促進するため,中小企業近代化資金等助成法に基づく設置資金の貸付け,船舶整備公団による融資及び改造が行われている。また,これら装置の取得に際しては,租税特別措置法に基づく特別償却等の助成策が講ぜられている。
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