3 空港整備の状況
48年度空港整備関係予算は363億円で,47年度の336億円(補正後)に比べると8.0%の増となつた。また,48年度国庫債務負担行為額は36億円で,47年度の47億円(補正後)に比べると23.4%の減となつた。47,48年度の空港整備事業の主な内容は次のとおりである。
(1) 第一種空港
東京国際空港については,47年度に,整備地区の用地買収及び誘導路改良等の整備を実施した。48年度は,引き続き整備地区の整備,B滑走路の改良のほか,管制情報処理システム等の航空保安施設の整備を実施することとしている。
大阪国際空港については,47年度に,整備地区の用地買収及び誘導路の改良等の整備を実施した。48年度は,整備地区におけるエプロン等の整備のほか,管制情報処理システム等の航空保安施設の整備を実施することとしている。
(2) 第二種空港
47年度は,釧路,新潟及び大村の各空港について滑走路を2,000〜2,500メートル級にするための延長工事又は新設工事を前年度に引き続き実施した。函館空港については,滑走路を2,500メートル級にするための延長工事に,また,高知空港については,2,000メートル級滑走路の新設工事に着手した。48年度は,釧路,函館,高知及び大村の各空港について前年度に引き続き滑走路を2,000〜2,500メートル級にするための新設工事又は延長工事を実施する。また,福岡空港等14空港について所要の整備を実施するほか,広島,高知及び大村の各空港にVOR/DME〔VOR(超短波全方向式無線標識施設)とDME(距離測定用施設)を組み合わせた施設〕を設置する等航空保安施設の整備を行うこととしている。
(3) 第三種空港
47年度は,宇部空港のジエツト化対策として,2,000メートル級滑走路の新設工事を前年度に引き続き実施したほか,新たに花巻空港のジエツト化対策として,2,000メートル級滑走路の新設工事に着手した。帯広,山形両空港については,滑走路を1,500メートル級にするための延長工事を完了させ,三宅島,対馬,福江及び屋久島の各空港については,滑走路を1,200〜1,500メートル級にするための延長工事又は新設工事に着手した。また,南大東,多良間及び与那国の各空港については,STOL機(短距離離着陸機)用空港としての整備を実施した。48年度は,前年度に引き続き,花巻,三宅島,宇部,対馬,福江及び屋久島の各空港について,滑走路の延長工事又は新設工事を実施するほか,隠岐,伊江島両空港について,滑走路を1,500メートル級にするための延長工事又は新設工事に着手し,新たに利尻,奥尻両空港について,STOL機用空港として整備を実施する。また,航空保安施設整備の一環として帯広,鳥取,岡山及び宇部の各空港にVOR/DMEを設置することとしている。
(4) その他の飛行場
47年度は,徳島飛行場について,滑走路を2,000メートル級にするための延長工事に,また,小松飛行場について,ジエツト機就航に備えて滑走路の改良工事に着手するとともに,沖縄の下地島に建設中の訓練飛行場について,前年度に引き続き3,000メートル級滑走路の新設工事を実施した。
48年度は,小松,徳島及び下地島の各飛行場について,前年度に引き続き滑走路の改良,延長工事又は新設工事を実施するほか千歳,札幌両飛行場について,所要の工事を実施することとしている。
(5) 空港整備事業調査
47年度は,調査費約3億2,000万円であり,うち2億円をもつて関西国際空港計画作成のための調査(自然条件調査及び社会条件調査等)を実施した。また,約1億2,000万円で東京国際空港等の整備調査及び騒音対策のための調査等を行つた。48年度は,調査費4億8,300万円であり,うち関西国際空港に関する調査として,3億円をもつて空港計画作成のための調査(軟弱地盤対策調査,建設工法調査,基本計画調査,騒音調査等)を実施することとしている。また,1億8,300万円で東京国際空港等の整備調査を行うほか,騒音対策のための調査,空港整備計画策定のための調査等を実施することにしている。
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