1 空港消防
(1) 空港消防の基準
空港消防は,航空機の航行の安全対策の一環として,空港の管理者にその整備をはかることが要求されており,また国際的にも,ICAOにおいて一定の基準に準拠して各空港ごとに消防力を整備することが勧告されている。ICAO基準は,就航航空機の燃料積載量と乗客定員とによつて空港を11の等級に分け,各等級ごとに,主力消火剤泡末生産用水の量等と,この用水の1分間あたりの最大放射量を定めている。
(2) 空港消防の現況
東京及び大阪の両第一種空港においては,ICAO基準が要求している消防力を満たしている。第二種空港については,空港の状況に応じ,所要の消防力を整備する目標であり,既に,各空港において化学消防車等を配備している。また,名古屋及び大村空港については,防衛庁の協力を得て消防体制を整備している。
一方,消防力に必要な要員面では,東京,大阪両第一種空港及び福岡,那覇の両第二種空港には,専任の消防担当職員を置いて常時出動体制をとつているが,これら以外の第二種空港では,空港に勤務する運輸省の一般職員及び空港内の空港関係会社の職員等が協力して空港における航空機の緊急事態に対処することとしている。
なお,地方公共団体が設置,管理する第三種空港については,若干の消火器が備えつけられているが,消防力としてはいまだ十分な状態ではない。
以上の体制に加えて,空港管理者と自治体消防機関等との間において消防業務協定等の締結を行い,相互に応援,協力を保持することにより空港消防力の強化をはかつている。
(3) 空港消防の整備
近年における航空機の大型化,離着陸回数の増大等に伴い,空港消防体制を強化することとしており,昭和48年度においては,函館,仙台,新潟,松山,宮崎及び那覇の各空港に化学消防車等を増強するとともに,要員の不足を補うため,函館,仙台,松山,大分,熊本,宮崎及び鹿児島の7空港において,新たに,業務委託を実施する予定である。
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