1 航空交通管制の現況


  航空交通管制業務は,航空交通の運航の安全と効率化を図るため,航空機に対し飛行経路,高度等飛行の方法について指示を行い,航空機間の間隔の設定,離着陸の順序に関する指示等を行つている業務であるが,航空需要の増加に伴う航空交通量の増大と機種の多様化に対応して,航空交通の安全と円滑をいかに確保するかが大きな問題となつている。
  航空交通管制業務を実施している管制機関が取り扱つた航空交通の量的,質的変化をみると次のとおりである。

(1) 航空路管制機関の取り扱つた航空交通

  東京飛行情報区(FIR/CTA)における航空路管制業務は,札幌,東京及び福岡の各航空交通管制部によつて行われている。これら3航空路管制機関の取り扱つた航空機数は,昭和47年合計で72万3,979機であり,前年比0.5%減となつている。この状況は, 〔III−25図〕のとおりである。なお,この減少の原因としては,騒音対策上の夜間飛行制限,航空機の大型化,東京,大阪両国際空港の過密化による便数制限等が考えられる。

(2) ターミナル管制機関の取り扱つた航空交通

  47年に航空交通管制業務の行われている民間空港21か所のターミナル管制機関が取り扱つた航空機数合計は112万8,942機で前年比4%増であつた。
  飛行計画別にみると,有視界飛行方式によるものは同2%減であり,また,計器飛行方式によるものは,同11%増となつている。
  このように,計器飛行方式によるものが年々増加しているのは,安全運航等の利点から,定期航空便等では,気象状況のいかんにかかわらず計器飛行方式によつて飛行する航空機が増加したためである。


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