1 航空機の現勢


  世界の航空輸送界は,ジヤンボジエツトB-747のほかにエア・バスとしてDC-10やL-1011が主力機として活躍し,大量高速輸送時代を迎えた。
  我が国においても,国際線では,日本航空(株)が15機のB-747(定員362名)を使用し,国内幹線では,日本航空(株)がDC-8-61(定員234名)を,全日本空輸(株)がB-727-200(定員178名)を使用して大量高速輸送を行つているが,更に今後の航空輸送需要の増大,空港の処理能力の限界に対処するために,より大型の機材が必要となる。このため日本航空(株)がB-747SR(定員460名)を全日本空輸(株)がL-1011(定員306名)を昭和49年度から国内幹線に導入することを決定した。また,ローカル線ではジエツト化が進められ,東亜国内航空(株)もDC-9を導入することを決定した。
  一方,騒音問題に対しては,国際的に航空機の騒音を軽減する努力が払われているが,B-747,DC-10及びL-1011の各機は,ICAO及び米国の騒音基準に適合しており,従来の航空機より騒音は少なくなつている。
  またSST(超音速旅客機)及びV/STOL機(垂直/短距離々着陸機)については,各国で開発されており,SSTに関しては,英仏共同開発のコンコルド及びソ連のTU-144が開発中である。なお,コンコルドは,49年末に就航が予定されている。V/STOL機に関しては,ツイン・オツター及びスカイ・ライナー等のSTOL性のある小型機(定員約20名)が実用化されており,大型のSTOL機は,50年代の就航を目標に開発が計画されている。また,最近大量高速輸送を大都市中央部と直結させたり,近距離航空輸送を行うためにV/STOL機を中心とする輸送システムの調査,研究が行われている。


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