3 世界気象監視(WWW)計画の推進


  この計画は,全地球的規模において気象状況の監視を行ない,各国の気象業務の飛躍約向上を図ることを目的とし,WMOにより,1968年以来進められ,我が国も積極的にこの計画を推進してきている。
  特に,静止気象衛星による観測を実施するため,1976年末までに打上げに関する準備を完了すること,我が国周辺の海洋上に数個のブイロボツトを設置すること,アジア地区の気象資料の収集,処理配布のための地域気象中枢,地域通信中枢の機能を果たすことなどは,国際協力の面からも重要なことであり,ひいては我が国の気象業務にひ益し,自然災害の防止軽減に役立つので,今後も強力に推進すべく検討を進めている。
  なお,我が国で準備を進めているGMSシステムの概要は, 〔V−4図〕に示すとおりで,これが実現すると,地面温度,海面温度,雲頂温度,雲の分布及び雲の移動の観測による風向風速が求められることなど,我が国を含めてアジア地区及び群南方地域全域についてのデータ空白域を埋め,常時気象観測ができることになる。

  更に,衛星を中継して,離島,海洋気象ブイロボツト,船舶などの観測点からの資料を指令資料収集局を通じて選択入手したり,資料処理センターで処理,解析された天気図などを国の内外の関係機関へ配信が行われることになる。
  これにより,広域にわたつて多種多様な現象の時間的推移のは握ができるので,天気予報も,きめ細かなものとなり,予報の精度の向上が期待できる。


表紙へ戻る 次へ進む