2 船員災害防止対策の推進


  船員災害の防止に関しては,「船員災害防止協会等に関する法律」に基づいて,5年ごとに船員災害防止基本計画を,また毎年同実施計画をそれぞれ策定して船員の災害防止を強力に推進している。
  49年度の船員災害防止実施計画では,48年度から52年度に至る第2次船員災害防止基本計画に基づき,災害防止重点対象を漁船及び内航中小型船に置き,1,000人当たりの発生率を前年度より死傷については9%,疾病については3%それぞれ減少させることとして,(1)船内環境の安全衛生化,(2)作業の安全化,(3)安全衛生管理体制の確立,(4)安全衛生教育の徹底,(5)健康管理対策の推進の5項目について集中的にフール・プルーフ的観点(ごく普通の人が,うっかりしたり,普通のミスをしてもケガにならないように設備や環境を整えておくこと。)に立った対策の推進を図ることを定めている。
  また,同計画を推進するため,法制の整備,安全衛生調査研究の充実をはじめ,船員労働安全衛生月間の主唱,船員向けの安全衛生指導放送(船員の広場)の実施,船員災害防止指導員による訪船指導,船員教育機関における安全衛生教育の充実等に努めるとともに船員災害防止協会から申請のあったまき網漁業船員災害防止規程及び母船式かに漁業船員災害防止規程について48年12月それぞれ認可した。
  このような労働安全衛生行政を一段と充実するため,49年4月船員局労働基準課に安全衛生室が設置された。
  次に船員災害防止協会では,48年度中に船員の災害防止に関し,船員災害の事例の収集と原因の分析並びに対策の研究,船員災害コストの調査,すり身工船事業員安全指導要領の作成,小型船用歩み板の開発,作業用救命衣の開発等を行ったほか,船内安全指針その他船員災害防止に関するPR資料の発行等による安全衛生意識の高揚,各種の安全衛生講習会の開催,設備,機械類の推奨,船員労働安全衛生月間中における船員災害防止大会の開催,船員無料健康相談所の開設,巡回安全,衛生班による訪船指導等を積極的に行った。


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