1 建造量と受注量


(1) 鋼船造船業

 ア 建造量

      昭和48年度の新造船建造量(進水量)は輸出船の大幅増により全体としては前年度トン数比16.8%の伸びをみせた。なかでも中小造船業の輸出船建造量の伸びは著しく,140.4%増を示した。これは中小造船業の施設規模に見合う近海貨物船の需要が急増したためである。

 イ 受注量

      48年度の新造船受注量は過去最高であった前年度を大幅に上回る(57.6%増)史上最高を記録した。これら受注量の大部分は47年度下半期の造船市場の活況時に引き合いをしていたものが48年度上半期に成約したためであり,48年度下半期に入り,新規受注は一息つき,48年末の石油ショック以降市況は悪化する一方で,先行きは暗いものとなっている。

 ウ 手持工事量

      48年度末の新造船手持工事量は約6,200万総トン(ロイド統計)で前年同期比42%増と史上最高を記録した。このうち約50%は48年度中に受注したものである。この手持工事量は従来の工事実績からみて約4年分に相当する。

(2) 木船造船業

  建造量(しゅん工量)は48年度1,157隻7,747総トンで前年度比14.4%減であり,年々減少の傾向にある。これは主として内航貨物船の鋼船化,漁船のFRP(強化プラスチック)化によるものである。


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