1 航路・港湾の整備
海上交通の安全を確保するためには,適切な航法の指導及びその遵守,航行する船舶自体の安全施設の強化もさることながら,航路や港湾施設を計画的に整備し船舶に安全な交通環境を提供することも重要である。
このため,昭和46年度を初年度とする第4次港湾整備5か年計画においては安全対策としての航路及び港湾の整備を重点目標のひとつとしており,船舶交通がふくそうし,今後とも航行隻数が増加すると予想される狭水道及び幹線航路の拡幅増深,法線の改良,危険物埠頭の整備を図るほか,安全対策上必要な水域施設,外郭施設の整備を積極的に整備することとしている。
特に,48年度においては47年度に引き続き事業費68億円をもって関門航路,本渡瀬戸,万関瀬戸,東京湾口のしゅんせつ工事を行った。なお,新たに瀬戸内海(来島海峡)において,実施設計調査を実施した。
また,船型の大型化の傾向が著しいタンカー,鉱石船等の入港する港では,上記航路整備とは別に,受益者から負担金を徴収する特定港湾施設工事として航路の拡幅増深を順次実施しており,48年度には12港において実施した。
また,小型船の安全確保を図るため,48年度には事業費13億円をもって4港の避難港において水域,外郭施設の整備を行った。
特に,船舶交通の確保の観点から,第71国会において一部改正された港湾法において,新たに港湾区域及び河川外の水域で船舶交通の確保のために開発及び保全工事を必要とする航路(開発保全航路)に関する規定を設け,従来,国の予算措置のみによって行われてきたこれらの航路の開発を国の業務としてその整備を積極的に推進するとともに開発保全航路内における船舶の航行に支障を及ぼす行為を禁止することとした。なお,全国で9の開発保全航路の指定を行った。
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