第2節 経営悪化の要因と今後の課題


  運輸事業の経営悪化の要因としては,支出面では人件費,燃料費等営業費の上昇,用地確保,建設,公害対策等施設の整備に伴う資本費の上昇等があげられる。また,収入面では景気の後退あるいは経済社会構造の変化に基づく需要の減少と公共料金抑制あるいは需給緩和に伴う運賃料金の低水準化があげられるほか,兼業収益も多くを期待できない状況となっているが,その収支の現状と今後の見通しは業種により,あるいは個々の企業の体質によりかなりの相違がみられる。
  また,不況対策としては,人員の配置転換等の企業努力が行われているほか,特に道路貨物運送,内航海運,中小造船等の各業種については,中小企業信用保険法に基づく倒産関連業種への指定を行ったほか,政府関係中小企業金融機関においても各地域,各業種の実情を十分考慮して対処している。


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