2 鉄軌道の安全対策


  鉄軌道交通の安全確保については,近年における列車の高速化,高密度化に対応して,列車運行の安全を図るため,鉄道事業者の安全管理の徹底及び運転関係従事者に対する指導訓練の強化を図るとともに, 〔3−1−3図〕のとおり運転保安設備の整備拡充を行っているほか,車両の構造,装置の安全性の向上等に力を入れている。

  新幹線は開業以来,重大事故を起こしていないが49年7月から8月にかけて多発した新幹線鉄道の事故,故障に関しては,それが重大事故に発展するおそれもあり,安全確保には万全を期す必要がある。このため運輸大臣は国鉄総裁に対し安全対策の樹立に関する警告を行い,これに基づき国鉄はただちに,線路架線の強化,経年車両の取替え,工事施行体制の整備等を図り,さらに49年12壇から50年2月にかけて列車の運転を休止して総点検を実施し,今後の事故・故障の再発防止に努めた。また,東北本線において,50年6月,9月の2回臨時に兎車ダイヤを大幅に変更し,軌道強化を行った。
  このほか,地下鉄道等における火災事故対策として,車両の不燃化の推進,施設の安全基準の推進等を図っている。
  一方,列車運転事故のうち大きな比重を占めている踏切道事故防止対策として,踏切道改良促進法に基づき踏切道の立体交差化,構造改良及び踏切保安設備の整備を強力に推進しておわ,踏切事故防止に大きな効果をあげている。 〔3−1−4図〕


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