1 世界の貿易と海上輸送


  世界経済の停滞を反映して昭和49年の世界貿易はその拡大テンポを大きくスローダウンすることとなった。49年の世界貿易の伸び率は,金額では価格の上昇により前年の5,744億ドル(世界輸出額FOB)から8,476億ドルと47.6%の大幅な伸びを示しているものの,数量指数の伸び率は対前年功5.0%増と47年(対前年比9.3%増)48年(同13.2%増)の水準に比べ,大きく落ち込んだ。
  49年の世界海上荷動量は,こうした状況の中で 〔II−(I)−1表〕のとおり石油と乾貨物で大きく異なった様相を呈した。すなわち,原油の荷動きは,先進諸国の石油消費の減退により13億8,500万トンと前年比1.9%の増加にとどまり,前年の伸び率(14.8%)に比べてその伸び率が大幅に低下したが,乾貨物は,石油収入が急増した産油国の輸入急増等に支えられ16億1,000万トン(前年比8.6%増)となおかなりの伸び率を維持した。


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