4 我が国商船隊の輸送活動


  49年の我が国商船隊(日本船と外国用船の合計)の輸送量をみると 〔II−(I)−5表〕のとおり,輸出については前年に比べ40.8%増加し輸出全体の伸び24.2%増を大きく上回った反面,輸入については2.7%増と輸入全体の伸び1.9%増を若干上回るにとどまった。この結果,49年の我が国商船隊の積取比率は 〔II−(I)−6表〕のとおり,輸出については48.4%と前年の42.7%に比べ大きく上昇したが,輸入については66.4%と前年の65.9%を若干上回るにとどまった。

  このうち日本船の輸送量についてみると,輸出については増加したものの,輸出輸送量全体の伸びを下回り,一方,輸入は減少した。この結果日本船の積取比率は,輸出,輸入とも減少して49年にはそれぞれ23.8%及び40.6%となり,ここ数年来低下の傾向がなお続いている。これは日本船の輸送シェアーの高い原油の輸入が減少したこと,相対的に好調だった乾貨物輸送においては日本船の競争力後退に伴い,日本船の船腹量が減少する傾向にあること等によるものと思われる。
  この反面,こうした日本船の代替的役割を担っているとみられる外国用船の輸送量は,輸出入とも前年に比べ大幅に増加し,輸出については日本船の輸送量を上回るに至った。この結果,積取比率は前年に比べ,49年には輸出,輸入とも大きく上昇し,それぞれ24.6%,25.8%となった。
  また,三国間輸送は前年比2.8%増にとどまった。
  一方,我が国海運企業の運賃収入は,輸送量の伸びが小さかったにもかかわらず,燃料油価格の高騰にともなって運賃水準が大きく上昇したため,全体としては前年比54.5%増となった。このうち,輸出による運賃収入は92.1%増,輸入は46.4%増,三国間は30.8%増となっている。


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