1 輸送活動の概況


  昭和49年度の内航海運の輸送活動は,我が国経済の景気の落ち込みを反映して全般に低調で,輸送量は5億100万トン(前年度比12.8%減),1,924億トンキロ(同7.7%減)と大幅な減少となった。
  主要品目については, 〔II−(I)−15図〕のとおり,一般貨物の中で最も大きな比重を占めている鉄鋼は粗鋼生産量及び内需量の減少を反映し,特に下半期の落ち込みが大幅となり,年間輸送量は,5,747万トン(前年度比9.9%減)となった。石炭は1,623万トン(同4.2%減)となった。また,公共事業関連物資であるセメントは総需要抑制の影響を受けて,3,259万トン(同8.9%減)となり,石灰石は3,886万トン(同4.4%減)となった。

  一方,最多貨物である石油製品も,原油輸入量が減り,国内石油消費量の減少もあったことから,各月とも前年同月を下回り,1億9,633万キロリットルと,前年度に比べて8.3%減少した。特に下半期の落ち込みが大きく,他の主要品目同様,不況の影響が下半期にはっきりあらわれている。


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