2 旅客航路事業の経営状況


  49年度における旅客航路事業の収支状況をみると, 〔II−(I)−25表〕のとおりで,旅客航路事業全体では,収支率83.4%と赤字を示した。事業規模別にみると個人業者及び地方公共団体の赤字幅が大きく,また長距離フェリー事業の収支率も80.9%と2年連続で赤字を示した。これは経済不況等に伴い,観光客を中心とした旅客の減少,トラックを中心とする自動車航送台数の減少に伴う収入面での不振に加えて,燃料費,人件費,船舶修繕費を中心としたコストの上昇が著しかったためである。
  このような状況に対して,旅客航路事業者は経費の節減,不採算航路の休止,会社機構の整理等,経営合理化を進めるとともに,20〜50%の運賃改定を行ったが,輸送需要の停滞は予想を越えるものがあり,その経営収支を黒字基調に回復するには至らなかった。


表紙へ戻る 次へ進む