1 離島航路事業の概況離島航路は離島の過疎化現象が進むなかにあって,一部の観光資源に恵まれた航路を除き,その輸送需要は減少の傾向をたどっている。他方人件費をはじめとする諸経費の高騰は避けられず,また,利用者も比較的経済的に恵まれていない離島住民が主であっては運賃負担力に乏しく,運賃改定によってすべての経費をカバーし,経営を改善させることは難しい。このため離島航路の経営は航路事業者の努力にもかかわらず逐年悪化の傾向にあり, 〔II−(I)−28図〕のとおり49年度には全国の離島航路は38航路減少して500航路となり,このうち430航路が赤字航路となった。49年度国庫補助対象航路について,その収支状況を示したものが 〔II−(I)−29表〕であるが,人件費をはじめとする諸経費が急騰したことにより収支率が48年度の65.0%から57.3%と大幅に悪化している。
他方,サービス水準についてみると,運航回数は1日平均3.2便(48年度3.0便),使用船舶は木船が全体の39.6%(同41.3%),航海速力は平均10ノット(同10ノット)という状況になっている。
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