1 倉庫業の現状


(1) 営業倉庫貨物取扱量

  昭和49年度における倉庫需要は, 〔II−(III)−22表〕のとおり,生産活動の鈍化を反映して,倉庫貨物量が,減少している。

 イ 普通倉庫

      49年度の入庫高は,1億1,832万トンで,前年度比6.3%の減,年度間平均月末保管残高は,2,089万トンで,前年度比23.3%の増となっている。
      品目別の年度間入庫高は,食料品が若干増加しただけで繊維品をはじめ他の品目は全て減少している。

 ロ 冷蔵倉庫

      49年度の入庫高は,625万トンで,前年度比4.6%の減,年度間平均月末保管残高は,127万トンで,前年度比7.8%の増となっている。
      品目別の年度間入庫高は,鮮魚介,鯨肉,農畜産加工品が増加しており,反面冷凍魚介,塩干魚介,畜産品等が減少している。

 ハ 水面倉庫

      49年度の入庫高は854万立方メートルで,前年度比15.3%の減,年度間平均月末保管残高は,174万立方メートルで,前年度比2.5%の増となっている。

(2) 営業倉庫の整備状況

  49年度末における倉庫業者数は, 〔II−(III)−23表〕に示すとおり,水面倉庫以外は増えている。庫腹の増加面(容)積は,普通倉庫102万平方メートル,冷蔵倉庫103万立方メートル,水面倉庫12万平方メートルで,それぞれ前年度に比べ6.6%,12.3%,2.0%の増加となっている。庫腹量は年々増えているが,利用率からみると,49年度末の普通倉庫の利用率は71%であり,適正利用率とされている67%をまだ上回っている。一方冷蔵倉庫においては,利用率は37%となっており,適正利用率とされている43%を下回っている。冷蔵倉庫庫腹量のここ数年の増加に対し,保管需要が,景気の停滞により,それほどの伸びをみせなかったための現象とおもわれる。
  しかし,経済の転換期による一時的な保管需要の減退はあるとはいえ,流通の近代化を促進し,もって国民経済の安定を図るには,物流の結節点たる倉庫の整備は引続き行う必要がある。そのため, 〔II−(III)−24表〕のとおり,日本開発銀行,北海道東北開発公庫,中小企業金融公庫等政府関係金融機関から融資が行われているほか,税制画での優遇措置がとられている。


表紙へ戻る 次へ進む