1 海難救助体制の整備


  効率的な海難救助を行うためには,情報を迅速かっ的確には握するとともに,刻々変化していく遭難船等の状況及びそれに関連する情報を収集して,直ちに必要な救助手配を行う必要がある。
  このため,海上保安庁は,全国48か所の陸上通信所及び行動中の巡視船等において,船舶が発信する遭難通信を常時聴守する体制を備えており,海難に関する情報の早期入手に努めるとともに,救助に関する通信を実施している。このほか,遭難船舶の位置を早期には握するため,全国22か所の救難用方位測定局により遭難電波の方位を測定する体制を整えている。
  また,49年度末現在,94隻の巡視船,214隻の巡視艇,33機の航空機を全国115か所の海上保安部署及び11か所の航空基地に配属し,我が国の沿岸における海難に備えており,特に,効果的な救助を実施するため,海難が多発する海域に巡視船艇を重点的に配備する前進しよう戒を実施している。
  このほか,海難の状況に応じて,防衛庁,外国救助機関に対して救助の協力を要請するほか,米国のコーストガードが実施している相互海難救助制度(AMVER SYSTEM)を活用して,現場付近を航行中の船舶を探知して,これに救助を依頼し,あるいは,無線通信,ファックス放送等を利用して付近を航行する船舶に救助の協力を呼び掛けるなど救助,援助のために必要なあらゆる手段を尽している。


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