1 観光レクリエーション施設


  所得水準の上昇,自由時間の増加,余暇意識の変化等により,国民の観光レクリエーション活動は近年著しい伸びを示しており,国民生活の重要な一部を形成するに至っているが,これを受け入れるための観光レクリエーション施設は極めて不足しており,既存の観光地への人々の過度集中をもたらし,行き帰りの交通機関等における著しい混雑や,いわゆる観光公害を引き起こすとともに,無秩序な観光開発により自然破壊をもたらすケースも生じている。このため,運輸省では観光レクリエーション環境の保全に留意しつつ,国民大衆が自然の中で手軽に観光レクリエーション活動を満喫できる観光レクリエーション地区の整備を早急に,かつ,計画的に進めている。

(1) 観光レクリエーション地区

  観光レクリエーション地区は,国民大衆が豊かな自然の中で手軽に健全な観光レクリエーション活動を楽しむことができるよう,ピクニック緑地,遊歩道,キャンプ場,スキー場等の多様なレクリエーション施設を配置した区域であり,48年度よりこのような観光レクリエーション地区の中核的な施設の整備を実施する都道府県に対して補助金を交付してその整備の促進を図っている。また,これらの施設と一体となって機能を果たす関連施設を整備する民間企業(主として第三セクター)に対しては財政融資のあっ旋をすることにしている。
  49年までに郡馬県武尊山地区,岡山県奥津地区の設計・整備及び和歌山県煙樹海岸地区の設計を行ってきたが,50年度はこれら3地区の整備を引き続き実施するとともに,新たに徳島県阿南海岸地区について,51年度実施事業のための設計に着手することとしている。
  なお,この補助制度における補助対象施設及び補助率は 〔IV−22表〕のとおりである。
  観光レクリエーション地区は,都道府県が中心的事業主体となるので,一定の環境水準が維持されるとともに,健全・快適・安全な施設の計画的な整備が確保される。

(2) 青少年旅行村

  青少年旅行村は,青少年の健全な旅行の推進を図り,併せて過疎地域の振興に資するため,公害のない大自然の中にキャンプ場,遊歩道等の健全で低廉なレクリェーション施設を配置した地区である。
  このような青少年旅行村の中核的施設を整備する地方公共団体に対して補助金を交付することにより,46年度16か所,47年度15か所,48年度17か所,49年度には16か所の青少年旅行村を整備し,その累計は64か所となっている。50年度は引き続き16か所の青少年旅行村を整備することとしている。
  48年度までに整備した48か所の青少年旅行村の49年度の利用者は約72万人であり,シーズン最盛期の7月,8月における利用が極めて多い。


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